2006年01月13日

子供は大人の鏡

昨日、用事があって珍しく電車に乗った。
帰りはちょうど下校途中の高校生だらけの時間帯に
なってしまったが、大荷物を抱えた私は座席を
確保したかったので、早めにホームに行き
到着する電車を待って乗り込んだ。
発車までは、五分くらい時間がある。
次から次へと乗客が乗り込んできたが
私の斜め前方のボックスタイプの優先席に
男子高校生2人組が陣取った。
長い前髪と後ろ髪。当然茶髪。
ネクタイをゆるめ、ズボンは今にも落ちそうな
位置で辛うじて止まっている。
いわゆるだらしない姿。
2人は並んで座って、靴を脱ぎ、前の座席に
足を投げ出し、なにやらゲラゲラと大笑い
しながら話し始めた。片手は携帯をいじっている。
「おい、そこは優先席で、しかも4人掛けだぞ」
と言いたくなるが、怖いので見てみぬふりの私。
そんな自分に悲しくなる。

車内はどんどん混み始めてきたが、誰もその
高校生が座っている優先席には座ろうとしない。
みんな避けている。
車内には立っている人が増え、だいぶ混雑してきたが
彼らの席だけは空いたまま発車時刻を迎えた。
仕方ないな…とあきらめた。
だって、私は注意もできないし。。。

その時、上品そうな年配の女性が駆け込んできた。
ずいぶん走ったのか、かなり息が上がり疲れた様子だ。
席を譲ろうかと私が思った時、その女性は
彼らの向かいの席が空いているのを見つけて近づいていった。
そして、
「こちら、座らせていただいてもよろしいかしら?」
とすごく丁寧な言葉遣いで聞いている。
私は高校生が失礼な物言いをしないかと、ハラハラした。
イメージでは、その女性に向かって二人の高校生が
「やだよ」とかナントカ言いそうな気がしたのだ。
そんな風貌だった。
しかし、そんな自分の思い込みがいかに恥ずかしいことか
次の瞬間に思い知らされた。
彼らはびっくりしたように
「あっ、はい。どうぞ」
と、慌てて足を下ろし、女性を自分たちの前に座らせた。
以外な展開だった。

その女性は「ありがとう」と、
実にエレガントなお辞儀をして座った。
お辞儀をされた高校生が照れているのが伝わってくる。
その女性が座るのを見て、近くに立っていた女性も
空いたもう1人分の座席に座った。
結果、彼らは優先席の4人掛けのボックスで
中年の女性2人と向かい合って座ることになった。
目のやり場に困っている。
そして、二人は電車の車内にふさわしい大きさの声で
話し始めた。さっきまで大声だったのに。

これは私の勝手な想像だが、彼らは
あんなに丁寧に大人に話しかけられたことも
お辞儀をされたこともないのではないだろうか?
大人と言えば、私みたいに彼らの風貌だけで
接触を避け、どうせ頼んでもムダだと思って
話しかけようともしないくせに眉をひそめて眺める。
そんな大人ばかりなんだろうと、容易に想像できた。
ところが、あの女性は違った。
彼らはうれしかったんじゃないだろうか?
きっと素直できれいな心の持ち主だったんだろう。
まさに子供は大人の鏡だ。
大人が上品な振る舞いをしていないくせに、子供に
マナーを守れだの品のいい格好をしなさいだの言った
ところで、何も伝わらなくて当然なのだ。
でも、品のいい振る舞いのお手本を目の前で見せられたら
裸足で足を投げ出していた高校生だって、品よく振舞う
ことができるのだ。

私が降りるまでのほんの数分の間に
彼らはなんと談笑するまでになっていた。
最後に座った女性まで高校生とニコニコと話している。
あのエレガントな女性は、いったい何者なんだろう。
一瞬にして人の心を溶かし、つかんで離さない
素敵な人なんだろうな…と想像した。

私もどんな人にも、分け隔てなく丁寧な振る舞いの
できる人間でありたい。特に若い人には。
そして、エレガントな振る舞いが自然にできる中年に
なろうと、心から反省して電車を降りた。



posted by ぐうたら主婦 at 18:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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