2005年11月07日

牡蠣の悲劇〜その2〜

私がはっきりと意識を取り戻したのは翌朝だった。
喉と胃が激しく痛い。その痛みで目を覚ますと
隣のベッドに友達が寝ていた。
どうやら付き添ってくれたようだ。
申し訳なさから彼女を起こせずにぼんやりしていると
友達も目を覚ました。
私と目が合うと彼女は、安堵と憤りが混じったような顔で
「おはよう。体はどう?もう、びっくりしたよ〜。
 昨夜はあんた、死んじゃうんじゃないかと思ったわ」
と起き上がった。あぁ、持つべきものは友だなぁと
感動して
「ごめんね…。もう大丈夫みたい…」
と、今年3度も牡蠣に当たったってことは黙っておこう
と心に決めて謝った。
しかし、私の「大丈夫」という言葉を聞くなり、
「ちょっと、それよりあんた。
 今月3回目なんやって?牡蠣に当たったの。
 もう、信じられんわ。何をやっとんがよ?」
と富山弁炸裂で怒リ始めた。

ひゃ〜、ば、ばれてる…。なんで?

聞けば私のあまりに激しい当たりっぷりに
医師が私を問い詰めたんだそうな。(←記憶にない)
「あなた、初めてじゃないでしょ。何度目?」
と聞かれた私は吐きながら
「今月三回当たりました…」
と力なく白状したそうな。
処置室は「えぇ?」と爆笑だったらしい。
そして彼女の憤りはまだ続く。
「しかもあんた!ここどこだと思ってんのっっ」
「え〜、分からん…」と私も何故か富山弁でつぶやくと
「産婦人科やちゃ」
と、かなりのご立腹だ。
そうか…どうりでさっきから赤ちゃんが泣いているわけだ。

夜の10時過ぎ、お茶の先生の車で救急センターに行ったが
食あたり程度では優先で診察してくれるところがなく
いつまで待ってもラチが空かなかったため、深夜、
先生の知り合いの産婦人科にたどり着いたのだそうだ。
「牡蠣で産婦人科に入院なんて初耳やわ…。あり得んわ」 
とあきれられた。

その後、医師がやってきて、状態を説明された。
「まぁ、普通は牡蠣に当たってもあんなふうにはならない
 んですけど、あなた3回目だって言うから。
 しかも短い間に。(軽く失笑)
 そうなると体に抗体ができちゃうんですよ。
 牡蠣はダメだよっていう体の防御機能ね。
 牡蠣を取ってる漁師さんでも一度当たったら、
 その年は食べないらしいですよ。
 まぁ、あなたは一生止めた方がいいでしょうね」
と悲しい宣告付き。それでもバカな私は
「私、もう牡蠣を食べられないんですか?」
と涙ながらに聞いてみた。すると
「まだ食べたいの?普通、一回当たると
 せめてそのシーズンは食べないもんだけどなあ。
 また昨日みたいに苦しんでもいいならどうぞ」
と睨まれた。うなだれる私に友達も
「もう、牡蠣は禁止!!ねぇ?先生っ」
と真顔で怒っている。
分かりました。ごめんなさい。もう食べません。

そんなわけで私は牡蠣が食べられなくなってしまった。

そこで、久しぶりに食べた牡蠣フライもどき。
懐かしい味がした。
豆腐と海苔を混ぜただけなのに、確かに牡蠣っぽい味がする。
うれしくてパクパクと3つほど食べたがすぐに胃がもたれてきた。
美味しかったのにどうしても食べる気分になれない。
昔の記憶がよみがえり、この材料では本来あり得ないはずの
吐き気まで催した。記憶ってやつは恐ろしい。
これがトラウマというものだろうか?

どうやら本当に牡蠣は食べられない体になってしまったようだ。
あんな悲しい記憶のままで牡蠣とさよならなんて
できないと思っていたが、牡蠣もどきですら食べられないことで
ようやく納得できた。
ありがとう。牡蠣フライもどき。
さよなら。牡蠣フライ。

注:この牡蠣フライもどき、とっても美味しいです。
 食べられないのは私の食あたりの記憶のせいですので
 どうぞ皆様、安心してお試し下さい。
posted by ぐうたら主婦 at 11:29| Comment(3) | TrackBack(0) | 食べる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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